奈良吉野手漉き和紙
吉野川 流れが育む 手漉き和紙
吉野町は、周囲を山に囲まれ、目の前には穏やかに吉野川の清流が流れ、谷崎潤一郎はこの地を舞台に、母への慕情をテーマに随筆的に小説『吉野葛(くず)』を書く。
しなやかな質感に偲ぶ面影
吉野町国栖(くず)では谷崎の『吉野葛』のように丹念に漉いた和紙を冬の庭先に干します。大海人皇子のちの天武天皇が、この地に養蚕と共に伝えたコウゾの皮を寒中の澄み切った吉野川の水にさらし、国宝などの文化財修復に使われる大和宇陀紙(表具用裏打紙)等が漉かれます。