日本美術、影は温もりを表す
この屏風は、手前の花や人はカラー、奥の山はインク(水墨)。日本の伝統的なカラーペイントとインクペイントのハイブリッド作品。日本のインクペイントは影を表します。そして古代から日本では山は、異なる世界:Another Worldの象徴でした。
山は、嵐や雨風雨の盾となり、水を蓄えて清流を流し、里の田畑を豊かにしてくれる。そんな山を、古代から日本では「お影」、「お影様」と呼んで崇めました。影とは尊称で、リスペクトするものと人を繋げる存在でした。
大切なのは影の構図。リスペクトの置き方で、MY STORYは安心に近づきます。

国宝 花下遊楽図屏風 狩野長信 筆(江戸時代・17世紀)
東京国立博物館本館2室(国宝室)2019年3月12日—4月7日展示予定