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JALスカイアンバサダーが紹介する 広島のエレガンス

2015年3月31日 • 特集
宮島には寝殿造りの嚴島神社。沖合に立つ大鳥居には言葉にできないほどの荘厳感を感じます。

JALスカイアンバサダー(広島)小原 千尋(OBARA CHIHIRO)万環玄亀 いとなみのエレガンス

東博_松林図屏風(左隻)LL_C0028019.X1

荘厳なる海に浮かぶ嚴島神社の鳥居

月の光で輝く願い

ユネスコの世界遺産、嚴島神社。瀬戸内の海上に立つ大規模な社殿を造営したのは平清盛(1118-1181)。また平家一族の氏神として、一門の繁栄を願い国宝・平家納経という装飾された経典も納めています。金銀・水晶や貝の内側の真珠層を使った螺鈿(らでん)で装飾されたこの経典は月の光で輝くのです。そして装飾経は、遠く滋賀県琵琶湖北部に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)にゆかりがあります。
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装飾経:国宝 竹生島経(法華経方便品) 平安時代 11世紀 東京国立博物館蔵

月の兎も飛び跳ねる!

金銀の箔と膠(にかわ)で鮮やかな紙面をつくる金銀泥で、蝶、鳥、宝相華(ほうそうげ)唐草、草花、雲などの文様を描いた国宝 竹生島経は、琵琶湖に浮かぶ島影に月の兎も波間を走る、と言われた竹生島の宝厳寺(ほうごんじ)に1000年前に納められたものです。琵琶湖・竹生島は幸福とつながる月への道、その入口だったのです。
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西国観音霊場 宝巌寺 辨天様ダルマ

月と霧

瀬戸内海と日本海を結ぶ道にある広島県の三次(みよし)盆地は、古代から開けた地域で、中国地方で最大数の古墳が集まるところです。そして秋から春にかけて発生する霧は、霧の海とも呼ばれ神秘的。そして霧立つ地は、月がまた美しいのです。
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広島県伝統工芸品 三次の木工(MATU工房)

日本で一番月が美しく見える美術館

そして三次市には、日本で一番、月が美しく見える美術館、奥田元宋・小由女(おくだげんそう・さゆめ)美術館があります。日本画家、奥田元宋(1912-2003)は、月光が照らす風景を幻想的に、また鮮やかな赤色で描きました。月光は人だけではなく、動物も虫たちも木々も、生きるもの全てを照らします。そして生きていないもの、妖怪たちも、また呼びよせるのです。

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