上智大学 アジアセンター

上智大学  アジア人材養成 研究センター
Men and Women for Others, with Others
他者のために、他者とともに生きる
ソフィアの精神を実践するセンター
創立100周年を迎えた上智大学。その歴史を支えてきた精神は、「他者のために、他者とともに生きる」です。またカンボジアでは1970年から24年間内戦が続き、文化・知識人を含め150万人以上に及ぶ大虐殺が起こり、文化断絶の危機すらあった。上智大学はアンコール遺跡調査団を、内戦中の1980年から現地に派遣し、現地での人材養成活動も開始。続いて優秀なカンボジア人留学生を計画的に上智大学の大学院に受け入れ、博士号を含め20名近くの学位取得者を輩出。現地の国の礎(いしずえ)を調査研究し、保全し、育てる活動を今も継続しているのが、上智大学アジア人材養成研究センターです。

 
アジアの隣人と仲間となる
上智大学のソフィア・ミッション、「使命」は、他者であるアジアの隣人ところへ出かけて行き、仲間となってアジアにおいて一緒に奉仕活動を実施すること。世界遺産の「アンコール・ワット」研究は、実際には多くの謎に包まれた中で行われてきました。世界に比類なき大歴史的建造物のアンコールが、当時の人々の生命の営みの中で、また、長い歴史が展開する中で、どんな意味がそれぞれあったのか?ひとつひとつの文脈を読みとき、現地の人と仲間となって、上智大学の同センターは、文化財の修復や保全に取り組んできた。それは仮に善意や奉仕の意図があるものでも、例えば他者の一方的な歴史・文化の見方による修復は、その歴史の本当の輝きや尽きることのない生きる喜びを蘇えさせることができないこと、「意味」がないことを同センターはよく知っているからです。

普通の言葉で謎と価値を語る
カンボジアの村では今でもゆったりとした時間が流れるなかで、稲は豊かに実りをつけ、小さなお寺ではうやまいと慎みをもつ祈りが捧げられる。みのりといのり。日本から見ると貧困に見える社会で、比較的低い消費量で高い満足を感じるひとびと。圧迫感や緊張感もなしに毎日をおくり、必要とするわずかな資源で満足できる村のひとたちは、資源をたくさん使うひとたちより相争うことも少ない。そこには古代・中世からの価値観が、自然や景観ともに受け継がれているのかもしれない。古代・中世カンボジアでは、地域で獲れる資源を使って最も合理的な日常生活が営まれた、地産地消の社会。そして余剰の資源は、徳をつむために、寺院の建設・建立に使われた。上智大学の同センターは、世界遺産の歴史的建造物の謎も、受け継がれた地域文化の価値も、普通の言葉で語り伝えようと取り組んできた。目に見える価値も目に見えぬ価値も、現地に受け継ぎ、現代に広く分かち合うためなのです。

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