万環百話
利休の 本から始まる旅(14) |
利休は茶室「四畳半」の常識を打ち破り「二畳」の茶室を作る。あまりての情・余情は平安前期の三十六歌仙の歌人、壬生忠岑(みぶのただみね)に始まる。切り捨てるから残るものがある。今回紹介する本は、「作家別アール・ヌーヴォー美術」、そして「すぐわかる茶室の見かた」。アール・ヌーヴォーは、自然の美を礼賛するが、自然ではない半自然の虚像。半自然の美は、日本の美、利休の美に通じる。ないから情が残る。誘う旅は岐阜・高山と京都・八幡である。
本から始まる旅