万環百話
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光の算段 くらしの算段⑬ |

宿場町の町屋は横に長く、京・大坂の町屋は縦に長い。通りの店幅に合わせて租税・冥加金が決まるからである。しかし町屋に電気があるわけではない。だから奥の住居部分には、かならず中庭をつくり、光をとる。土塀の一部を塗り残した下地窓や店と住居の中間の台所にある脇障子などを組み合わせて光をつなぐ。そして家先の格子窓である。そとからあまりのぞかれないようにしておきながら、そとのひかりを足長く家の中に取り込むのだ。
くらしの算段
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