万環百話
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幼年期ともに父を殺される 頼朝と法然② |

頼朝と法然も武家の家に生まれる。幼少期に父が殺されるところを見るか、それに接することがこの二人以外になかったわけではない。生命(いのち)を守られた子供は、仇を晴らすことをこころに記すか、それを恐れられて寺門に入れられるかする。いずれにしても理解を超える現実に接し、子供自身が大いに悩むことは事実である。頼朝も法然も歴史に登場してくる前に、多くは記録が残らない、この苦しみを過ごす時期がある。それがまた中世である。
頼朝と法然