萄が目にしみるの舞台、山梨出身の鉄道王 根津嘉一郎（1860～1940）は、東京青山の谷、約20,000#平方メートルを自邸に選び、自ら作庭し、近代の数奇世界を造形した。その自宅を引き継ぐ当館の庭園は、茶室と回遊する道筋沿いに石造物を配し、「もてなしは神へのもてなしにはじまる」の記憶を思い出させる綿密な構成がとられている。

谷で1956年に開業した東急文化会館のDNAを引き継ぐ、新たな価値を創造、発信していくプラットフォーム複合商業施設「渋谷ヒカリエ」の8階に、2012年4月にオープンしたクリエイティブスペース「8/」。イベントスペース、ミュージアム、アートギャラリー、ワークスペース、カフェ、デザインショップをお楽しみいただける。　　　　　　　

本文化および情報文化研究の第一人者である松岡正剛が手掛けたＩＳＩＳ館の入口「井寸房」。建築家の三浦史郎氏とつくった書棚は、本のサイズにあわせた４つの単位の棚組みで構成され、古今東西の全集が並べられている。ＩＳＩＳ館全体には6万冊の本がある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

11年5月に東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにオープンしたギャラリー。平城京遷都1300年祭の公式キャラクター「せんとくん」をデザインし、ユーモアと鋭い機知を、慈愛に満ちた独特の世界観で表現する彫刻家・籔内佐斗司の木彫やブロンズ作品を紹介する。ギャラリー名のAZURは、籔内氏の命名により、東方浄土世界の瑠璃色を表す。