夏の旅プラン:東京
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7月、寛永寺の灯籠ながし 大都会江戸の文化は、見立ての文化。上野の東京国立博物館を起点に、時の移ろいに歴史と名所をかさねみる質感を味わう |
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浅草寺
住所:東京都台東区浅草2-3-1
Tel:03-3842-0181(10:00~16:00)松浦静山の『甲子夜話』の「捨て猫」に登場する、肥前国平戸藩上屋敷に転がり込んできた化け猫を預かった娘、千佐子の甘味処が浅草寺の門前にあったのである。江戸時代、徳川幕府の祈願所であった当寺は、628年、隅田川上流より流れてきた金色の聖観音像を供養し、その歴史が始まる。平安初期、延暦寺の慈覚大師円仁が秘仏「お前立ち」を造像する。
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流灯会(灯籠ながし)(寛永寺)
住所:東京都台東区上野公園2-1
Tel:03-3821-4638松浦静山の『甲子夜話』に、浮世絵師の歌川国貞に絵を依頼しようとする貴人「輪門」が登場する。輪門とは、輪王寺宮の寛永寺門跡。寛永寺は、山号を「東の比叡山」を意味する「東叡山」と号し、不忍池は琵琶湖、また弁天堂は観音霊場である竹生島宝厳寺に見立て、比叡山延暦寺に倣って建てられた。毎年7月、弁天堂で法要が営まれ、不忍池で灯籠ながしが行われる。
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東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9
Tel:03-3821-9270(総務課)江戸時代、寛永寺の住職を務める輪王寺宮が住んだ「本坊」の跡に建つのが当館である。明治5(1872)年、湯島聖堂の大成殿で開催された博覧会を機に創立された博物館。所蔵品は国宝87件を含む11万件を超え、日本・東洋美術の流れを概観できる日本最大の博物館である。岡倉天心は明治中期に美術部長を務め、森鴎外は大正期に総長を務めた。