ブック+
編 者:日本郵船歴史博物館
出版社:日本郵船歴史博物館
書はシアトル航路に就航、その後病院船、係留後の観光船など、数奇な運命をたどった氷川丸の歴史をわかりやすくまとめ出版されたガイドブック。氷川丸船内の見学ルートマップと、それに合わせて各部屋の説明や、竣工当時の写真、カラースキームを掲載し、この本を手にしながら船内を観覧することができるようになっている。巻末には竣工当時の「氷川丸の一般配置図」が付く。1930年の就航以来『北太平洋の女王』と呼ばれた氷川丸は、多くの悲しみも観て、そして温かに癒してきた歴史がある。氷川丸で多くの人々を魅了した伝統のカリーは、郵船式のドライカレー。牛ひき肉とみじん切りの野菜を炒めて、ブイヨンスープとカレー粉を加え、時間をかけてじっくり煮込んだものである。それに輪切りにしたゆで卵、フライドオニオンを添える。船内で提供する食事やサービスの開発や、また船内装飾の設えにかけた思いが伝わってくる。横浜に生まれ、横浜に戻った氷川丸は、震災・戦災を超えて生命(いのち)をつないだ港町・横浜の象徴でもある。
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旧横浜船渠2号ドック ドックヤードガーデン住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
Tel:045-222-5015パーマーは、水道の他にも、港町には船を修理するドック・船渠(せんきょ)や倉庫の充実が必要と説き、渋沢栄一や横浜地元の財界人が、横浜船渠を明治22(1889)年に設立する。はじめは船舶修理、やがて建造と進み、第1号ドックでは氷川丸がここで誕生。第2号ドックは、野毛山公園から見えるみなとみらい地区にドックヤードガーデンとして復元し、保全されている。石造りで、その石は鎌倉の寺社、江戸城、品川お台場で使われた優美、堅牢な真鶴(まなづる)の小松石。日本の近代は、日本の近世の技と工夫を下敷きにした!
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サスケハナ号とポーハタン号の模型住所:神奈川県横浜市中区日本大通3
Tel:045-201-2100嘉永6(1853)年、黒船4隻が浦賀沖に登場。その4隻の旗艦船はサスケハナ号である。ともに来日したポーハタン号は、安政5年(1858)の日米修好通商条約の調印船で、その条約批准のために安政7年(1860)に幕府使節団を乗せた船である。この船が幕府使節団を乗せ出港後、桜田門外の変が起きた。横浜開港資料館にこの2隻の模型がある。実はこの2隻はほぼ姉妹船で、この姉妹船が日本の幕末史を動かしたことが、そして船が国の力の象徴であったことが語られる。
画像:横浜開港資料館蔵