海に臨み山に囲まれ、多くの川がある日本列島。日本の美は、自然のようなAnother Worldに寄り添う中から育まれました。
歴史を辿れば、7世紀からシルクロードを通じての大陸の美、16世紀大航海時代の南蛮美術、19世紀からは欧米美術を積極的に受け入れて、日本美術は発展します。でも渡来、舶来の美を学んでも、やっぱり味わいを求めた日本美術。季節の移り変わりを山菜の苦味で味わうように。例えばデュシャンの美が配置の面白さなら、日本の美は添えの妙。Another Worldに寄り添う妙。そこにGood Valueが生まれます。

季刊誌旅鶴2016冬号