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ホテルゲストリレーションズが紹介する 長野のエレガンス(上高地)

2015年6月2日 • 特集
中でも雄大な日本アルプスが眼前に広がる上高地には上高地帝国ホテルもあり、特におすすめです。
自然豊かな長野で、胸いっぱいに深呼吸して空気のおいしさをぜひ感じてほしいのです。

帝国ホテル ゲストリレーションズ(長野)成田 恵美 (NARITA MEGUMI)万環玄亀 いとなみのエレガンス

東博_松林図屏風(左隻)LL_C0028019.X1

残雪の穂高連峰

太古の記憶

外国人のための山岳リゾートとして、イギリスの登山家、ウェストン卿(1861-1940)が世界に広めた秘境上高地の開山祭は4月27日。上高地は年間120万人もの人々が訪れ、手付かずの自然が多く残ります。
100万年以上前、北アルプス一帯では超巨大な火山爆発が起き、穂高岳や槍ヶ岳の原型台地ができ、氷河期に山岳氷河が岩肌を削りました。そしてアルプスと名が付けられる岩峰ができます。河童橋から横尾間の梓川沿いには、氷河時代の遺存種、ケショウヤナギが自生。シベリア・カムチャッカ・樺太などアジア北東部や、北海道に分布するケショウヤナギは、上高地の太古のつながりを伝えます。
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河童橋と穂高連峰

河童の皿

海外で高い芸術性が評価される根付などに意匠される河童は、西南日本では神に仕える猿がオリジナルです。水辺にいて、水の善し悪しを見分けて神に告げ、神の禊ぎを執り行う水の精霊のイメージです。
また皿は、神をもてなすための器で、富や生命力を盛る器。水の神は、頭に皿を伏せて、その下には数々の宝が隠されていると考えられ、その生命力の源は最浄なる水でした。
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高円宮コレクション 河童蛤角彫根付 東京国立博物館

神河内(かみこうち)

明神池は河童橋から梓川の左岸沿いを通り、徒歩で1時間あまりの所にあります。明神岳からの伏流水で冬も全面凍結せず、透き通る静寂の中、ケショウヤナギやクマザサと池中の大岩石が自然の造形美を見せてくれます。
ここは穂高神社の神域ですが、穂高神社の奥宮は、神河内、神降地とも言われ、古代からの始まりの地です。
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明神池 アルプス観光協会(アルプス山岳郷)

日本の結び目

約2,000万年前にアジア大陸から離れ始めた日本列島は、やがてその中央部が真っ二つに折れて、北アルプスを境に東北日本と西南日本に分かれます。その二つに分かれた日本列島を、数百万年前にフィリピン海プレートに乗って移動してきた島であった伊豆半島が、海底を隆起させ再び結びつけます。
上高地は、太古の東北日本の記憶と古代の西南日本の信仰がかさなる場所です。
なぜなら、この地は、近代になってウェストン卿が山岳リゾートとして世界に紹介し、昭和8年(1933)に日本初の山岳リゾートホテルが開業した場所だからです。
上高地は、日本と西洋が時空を超えてかさなる、神秘なる結び目の場所なのです。

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yasudaホテルゲストリレーションズが紹介する 長野のエレガンス(上高地)

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