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JALスカイアンバサダーが紹介する 愛知のエレガンス

2015年3月24日 • 特集
愛知県はモノづくり産業の集積地。自動車、機械だけでなく、和凧や名古屋扇子の伝統伎と精神も受け継がれています。

JALスカイアンバサダー(愛知)佐藤 あずさ(SATO AZUSA)万環玄亀 いとなみのエレガンス

東博_松林図屏風(左隻)LL_C0028019.X1

名古屋扇子

松に結ぶ

江戸時代、三代将軍家光の娘千代姫(ちよひめ)が、尾張徳川家二代の光友(みつとも)に嫁ぐ際に持参した調度、国宝「初音の調度」。この国宝調度の名前は、源氏物語の初音の帖に由来し、「年月を 松にひかれて ふる人に 今日鴬の 初音きかせよ」の歌こころを、ひとつひとつの道具にデザイン・意匠として散らし描かれています。また「松に鶯」の組み合わせは、春の訪れを待ちこがれていたことを意味します。
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国宝 初音の調度 江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵

言霊(ことだま)

おめでたい扇子に松が描かれるのは、いつも緑を保つ松に、明日を生きる力を重ねるからです。古代の人が祈りを歌にして松の枝に結ぶのは、(願いを歌う)音が松の生命力に共振・共鳴すると信じたからです。共鳴することが、生きることだったのです。ですから、日本文化は言葉を言霊として、小鳥たちと同じように、歌うことを大切にしてきました。
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浜松図屏風(部分)室町時代 東京国立博物館蔵

リズム

伊勢神宮の、20年に一度の神殿などを移すお建て替えに使われる木曽の山のヒノキ。その木曽の山に、明治時代にアメリカから輸入され、カイゼンされた赤沢森林鉄道の蒸気機関車が観光用として走ります。その蒸気音は、まるで人が呼吸する音のように、木曽の山にこだまします。またそのリズムは、自然と人が共振・共鳴するリズムのようにも感じます。早くもないが、遅くもない。
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観光用に復活した赤沢森林鉄道

時代とこだま

私たちが話す言葉は、人だけが聞くものではない、と昔の人は考えていました。都市と都会の違いは、人間社会と自然との距離にも関係します。そして自然は、人間よりずっと多くの時間を内に宿します。その時間は、過去も現在もそして未来も、です。古代から日本文化はそれを知り、時代の歴史も人の大きな声ではなく、広く共鳴していくこだまが動かしてきたのです。

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