万環百話
かさなりあう2つの慈悲 ジャングルと仏像たち⑮ |
仏教以前にも、慈悲はあった。慈悲とは恵みの源泉であり、あわれや無常を知ること。そして無常とは、ガンジス河の流れ。カースト制度を前に、仏教の悟りとは、飛躍する力であり、解脱とは身体的に簡潔化する思想。ひとは内観することで自身が持つ飛躍する力の種、仏性を体感しうる。無常を知るこころという「知」を持てる。ここに、ひとの理想像、彫像化がある。クメールの微笑は、大いなるものとひとの理想として、2つの慈悲がかさなりあう。
ジャングルと仏像たち