著 者:クリスチャン・ノルベルグ=シュルツ
出版社:住まいの図書館出版局

ニウスは守護霊、ロキは場所、ゲニウス・ロキは「場所の守護霊」という意味。それぞれの場所にひそむ地霊、その力のようなものをさし、古代ローマ人はゲニウス・ロキから、その場所の安定性や個性を感じ取ったのだ。本書は、プラハ、ナイル河沿岸の植民都市ハルトゥーム、ローマの3つの場所を分析比較して古代ローマから現代にいたるまで建築物が、自然と人間の「間」で、「場所の守護霊」を取り込むものであったことを示唆する。場所の雰囲気や、少し異なる時間の流れを感じ取らせる本質がゲニウス・ロキ。パリのルーブル宮殿やオルセー美術館の建築物正面デザインのファサードにもゲニウス・ロキがひっついてくるし、L字型の、高さ100mのガラス張り超高層ビルが4棟向かい合うパリの国立図書館もまた光のゲニウス・ロキを引用した建物。建築は技術であり、環境や風土から感じた自分の経験を、そこを訪れたひとに感じてもらう方法論である。また自然を解釈する方法論として、言葉の詩ではない身体的な詩である。建築がそうであるなら、大地から素材を得てつくられるグランシェフの料理も、自分の主観的体験や経験の質感をもって伝える技術であり、身体的な詩である。

本から始まる旅がある。

    オススメ旅プラン
  • 赤城山大沼

    赤城山大沼

    問合せ先:県立赤城公園ビジターセンター
    Tel:027-287-8402

     
    し異なる時間の流れ。大沼は、黒檜山(くろびやま)や駒ケ岳、地蔵岳などの外輪山に囲まれた、標高1,350m付近の赤城山山頂エリアにあるカルデラ湖。3万年前までの赤城山の火山活動で作られた。志賀直哉が大正4年の夏を実父との不和から神経を痛めた妻の健康を取り戻すために過ごした場所である。キャンプや水遊び、ボート、散策、サイクリング、冬のワカサギ釣りなど、山頂エリアのレジャーの中心地。百年前に志賀夫妻がこころと身体を癒した生命(いのち)の力が今も湧いている。                         

  • 旧横浜船渠2号ドック ドックヤードガーデン

    旧横浜船渠2号ドック ドックヤードガーデン

    住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
    Tel:045-222-5015

    ーマーは、水道の他にも、港町には船を修理するドック・船渠(せんきょ)や倉庫の充実が必要と説き、渋沢栄一や横浜地元の財界人が、横浜船渠を明治22(1889)年に設立する。はじめは船舶修理、やがて建造と進み、第1号ドックでは氷川丸がここで誕生。第2号ドックは、野毛山公園から見えるみなとみらい地区にドックヤードガーデンとして復元し、保全されている。石造りで、その石は鎌倉の寺社、江戸城、品川お台場で使われた優美、堅牢な真鶴(まなづる)の小松石。日本の近代は、日本の近世の技と工夫を下敷きにした!                    

  • ルイ・コムフォート・ティファニー作「きばなふじ」

    ティファニー作「きばなふじ」

    住所:北海道札幌市中央区北1条西17丁目
    Tel:011-644-6883

    ばなふじは、黄金色の藤の花。大柄の豆科の植物で、初夏に房を連ねて咲く。ゴールデンチェーン、金鎖とも言われる。ヨーロッパ産。ニューヨークのティファニー創業者の息子、ルイ・コムフォート・ティファニーは、画家を目指し渡欧、産業化・都市化に接し、帰国後ステンドグラスの作家になる。テーマは豊かで壊れやすい自然との共生。大柄なきばなふじをスタンド・カバーにするのは彼の意匠。ゴールデンチェーン、また意味を感じる。                

    北海道立近代美術館所蔵


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