北原白秋集

著 者:北原白秋
出版社:角川書店

原白秋(1885−1942)は、明治から大正、昭和と活躍した詩人、童謡作家、歌人。大正時代、作曲家山田耕筰とコンビを組み数々の傑作童謡を発表する。「待ちぼうけ、待ちぼうけ、ある日せっせと野良かせぎ」、「からたちの花が咲いたよ、白い白い花が咲いたよ」など。また作品「里ごころ」では、「笛や太鼓にさそわれて、山の祭に来てみたが、日暮はいやいや、里恋し」、「母さま恋しと泣いたれば、どうでもねんねよ、お泊りよ」とはじまり、「しくしくお背戸に出てみれば
空には寒い茜雲」、「雁、雁、棹になれ」、「お迎いたのむと言うておくれ」とつづく。子供だけではなく、大人も胸がつまり泣きたくなるような描写である。大正時代は、富国強兵、欧米化に進んだ明治時代の反動から、それまで忘れてきた日本というものを郷愁する。また大人になることに一心になってきたひとに、子供時代を思い出すことの「意味」がかさなった時代でもある。ひとには、いくつになっても子供の部分があり、大人には人格のいろいろな階層、レイヤーが積み重なっている。また味わいは、異なるそれらのレイヤーが、バランスよく調和したものに存在するものではないかとも感じる詩集。

本から始まる旅がある。

    オススメ旅プラン
  • 吉備路風土記の丘

    吉備路風土記の丘

    問合せ先:総社市商工観光課(岡山県総社市中央1-1-1)
    Tel:0869-92-8277

    山県総社市周辺は、古代吉備文化発祥の地ともいわれている。造山古墳(岡山市)と作山古墳(総社市)の二大古墳をはじめとした古墳群や、五重塔のそびえる備中国分寺を擁する「吉備路」。田園風景と史跡が調和する風土記の丘は、歴史的景観をもつ自然公園として保全されている。 また自転車道も整備されており、気軽にサイクリングを楽しむこともできる。                                                                                                  

  • 船町港跡

    船町港跡

    住所:岐阜県大垣市船町2-26
    問合せ先:0584-77-1535(大垣市観光協会)

    治時代に忘れてきた郷愁の景観。船町港は、大垣城の外堀を利用した水門川の川港で、揖斐川を通じて伊勢や尾張と大垣を結び、物資と人を運んだ。江戸から明治にかけて利用が進んだが、鉄道の発達とともに港の役割を終えた。「住吉燈台」とともに、松尾芭蕉の「奥の細道むすびの地」として観光名所になっている。川沿いにソメイヨシノが植えられ、春には川辺に映った姿と共に壮大なトンネルを形成し、「飛騨・美濃さくら33選」にも選ばれる桜の名所。                                                        

  • 飯田市美術博物館

    菱田春草作「菊慈童」

    住所:長野県飯田市追手町2-655-7
    Tel:0265-22-8118

    統的に日本の絵画のいのちは線。輪郭線であった。その輪郭線を消すことで浮かび上がってくるものがある。例えばそれは、時空を超えて、今この時に感じあえる質感。古いものもまた新しく感じられる。本館は、美術・自然・人文の三部門からなる。美術部門の目玉は、当地出身の菱田春草。春草は、明治期にあって日本画の近代化を志し、西洋絵画の写実性を取り入れようと試みて、「朦朧体」と呼ばれる輪郭線のない画風を編み出した。      

    飯田市美術博物館所蔵


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