作家別 アール・ヌーヴォーの美術
著 者:岡部昌幸

出版社:東京美術

書は、19世紀末〜20世紀前半の装飾美術アール・ヌーヴォーとアール・デコを、ガラス・宝飾、絵画・ポスター、建築、家具等の6分野に分類し、その代表的作家を代表的作品の写真入りで概説紹介する。ベルギーのアンリ・ヴァン・ド・ヴェルドは、パリでロートレック、ゴッホ、スーラと交流し、浮世絵などのジャポニズムに強く影響を受ける。やがて住宅設計を手がけ、1895年、日本美術研究の第一人者で収集家、「芸術の日本」の発行人サミュエル・ビングのギャラリーのインテリアを担当。このギャラリーから、アール・ヌーヴォーという言葉が発祥する。フランス金工家ジャン・デュナンは、漆の魅力に深く傾倒し、大使館の喫煙室のインテリアを一任され、日本の漆の伝統的な技法を、モダンなインテリアにアレンジ。それを契機に、1920年代のパリのアートシーンで人気を博し、アール・デコを代表する工芸作家となる。20世紀に最も影響を与えたデザイナーの一人、エルザ・スキャパレリ。装飾を削ぎ落としたデザインのココ・シャネルとはファション界の双璧。イタリア生まれの彼女はまた、王立図書館長を務めた東洋語学者の父の影響を受けて育つ。アール・ヌーヴォーの歴史と作家を知れば、日本の美がまた見えてくる!

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    オススメ旅プラン
  • 飛騨高山の古い町並

    飛騨高山の古い町並

    問合せ先:岐阜県高山市役所商工観光部観光課
    Tel:0577-32-3333

    たり前のことながら、町並みは、各家屋が、それぞれの町の標準に揃えてできあがる。高山は、茶人で作庭家の金森宗和の金森家が整備した城下町で、まず町人文化をベースにする。また豊かな森林がある飛騨には、優れた木こりや大工がたくさんいたので、奈良時代には、都で1年間、宮殿や大寺院の建立への従事を納税とし、高い技術により「飛騨の匠」と呼ばれた。実は高山の町並みは古くはない。独創性があって新しい。険しい山に囲まれた自然で、屋根の勾配はゆるく、軒の出は深く、庇(ひさし)は短く軒高を揃えて、それぞれに家屋の内に意匠を凝るのだ。                           

  • 吉島(よしじま)家住宅

    吉島
    よしじま
    家住宅

    住所:岐阜県高山市大新町1-51
    Tel:0577-32-0038

    林(さかばやし・杉玉)が表の軒下にかかる吉島家は、高山の造り酒屋として財を成した豪商。飛騨の匠の優れた技と、吉島家当主の美意識が生み出した素晴しい建物を、アメリカ建築界の巨匠チャールズ・ムーアは『地球を半周して見に来た価値がある』と賞賛した。土間の吹き抜けは、大黒柱を中心に梁が組まれる木組の空間に高窓から差し込む光が陰影をもたらす。前二階の天井は、緩やかにカーブした舟形天井。各部屋も造作に粋をこらし、華麗で優美なたたずまい。飛騨の匠・職人集団として、奈良の都で寺社や宮廷建築を手がけた技が象徴されている。                                  

  • エミール・ガレ作「寄せ木細工」

    ガレ作「寄せ木細工」

    住所:岐阜県高山市上岡本町1-124-1
    Tel:0577-35-3535

    る幕末を前に、孝明天皇即位の弘化3(1846)年、フランス北部ドイツに近いナンシーに陶磁器とガラス器を商う家にエミール・ガレは生まれた。後にガレは、「花の様式」と言われる自然の植物をモチーフにしたガラス、陶器、家具を制作し、デザインする。ジャポニズムが高まる明治11(1878)年のパリ万博にも作品を出展し、渡欧した水墨画を得意とする高島北海とも交流。ガレが目指したものは「生活の美」。日本の伝統的な「用の美」にかさなる。飛騨高山の匠にかさなる。

    飛騨高山美術館所蔵

                          


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