万環百話
林真理子と志賀直哉 本から始まる旅(20) |
小説「葡萄が目にしみる」を書いた林真理子と赤城山文学紀行「あゝこれ山」に書かれた志賀直哉。ファンタジックとロマンは違うが、地元のひとや家族との織りなす人間関係に距離を置き、その間に自然なるものが入り、あったかい、ほっこりする風情となるところはかさなりあう。それは出会いの場の日本伝統の襖絵に通じる。畏怖のモチーフを描くとも、雲に託して間を残す。自然を取り込みほっこりする旅へ、山梨・山梨、兵庫・豊岡が誘う。
本から始まる旅