JALスカイアンバサダー(山陰・島根)武田 優奈(TAKEDA YUNA)万環玄亀 いとなみのエレガンス
スサノオ
出雲大社の祖先神スサノオは、「八雲立つ出雲」という日本で最初の和歌を残します。八雲は神秘なる力、雷を生み出す豊かな雲に由来。そして和歌は、その偉大な力に大地と人を結ぶ言霊(ことだま)を組み合わせるものでした。言霊は、不滅なる霊魂を共振させるもので、霊魂は人だけではなく、地上も宇宙もすべてのものに等しく存在するものと、古代から日本列島では信じられてきました。そして別々のものを結ぶとは、古代は共振・共鳴させることでした。
八雲塗 一般社団法人 島根県物産協会
水引
また、日本では古代から、身体や心と霊魂は、別のものとされていました。身体や心は失われるもので、霊魂は失われないもの。また身体は見えるもので、心は見えないもの。古代では、それらの別々のものと幸運や願いを結びつけるために、常緑の松の枝に和歌を詠み結びつける風習・文化がありました。やがてその風習は、デザイン・意匠化され、お祝いの水引が誕生します。
お祝儀の水引 水引館(みずひきや)
アクセサリー
また古代では、悪いものを退け、健康や長寿、幸運を招き、身体と心に結びつけるために、ヒスイや特別に装飾された貴金属を身に付けました。これがアクセサリーの起源です。目に見えるものと目に見えないものを、結びつけるアクセサリー。だからアクセサリーは、共振・共鳴するものだったのです。
アクセサリースタイルのルーペ ミザールテック
結ぶべきもの
古代から中世、近世と日本人が見つめてきたものは、人の生命のはかなさです。生命は、霊魂と身体と心が結ばれて続くもので、実はその結びつきは壊れやすいものと考えていました。身体が壊れる、心が壊れる、そして霊魂が離れる。だから日本文化は結ぶこと、祈りと感謝を通じて共振・共鳴することを大切にしてきたのです。