JSA1_1-1

JALスカイアンバサダーが紹介する 北海道のエレガンス

2015年3月24日 • 特集
道産子は欲張りです。(中略)それは一つの場所に美しい魅力が二つあるから。

JALスカイアンバサダー(北海道)佐藤 愛(SATO AI)万環玄亀 いとなみのエレガンス

東博_松林図屏風(左隻)LL_C0028019.X1

プロ野球とJリーグの試合を楽しめる札幌ドーム

プラキストン線

気候により動物や植物が分布する境界線をプラキストン線といい、それが本州と北海道の間、津軽海峡上にあります。大いなる昔、本州のニホンジカはその境界線を渡り、北海道のエゾシカとなりました。生きるために、あたらしい気候や風土に適用するように自らを進化させたのです。それは古代からひとも同じでした。そしてそれらの進化のみなもとは、生きるものに宿る生命力でした。
e2
エゾシカ革のハンチング どら猫帽子店

イオマンテ

アイヌ文化の聖なる儀式イオマンテは、食としての恵みを授かった熊などの魂、霊魂カムイを、神々の世界に送り返す祭りです。アイヌ文化は日本の北海道だけではなく、樺太、カムチャッカ半島などオホーツク海一帯に広がった文化。ロシア極東のアムール河(黒竜江)流域や本州東北、また琉球の文化ともかなさり合います。全てのものに等しく、境なくカムイが宿ると信じる文化です。
e3
イオマンテ  阿寒アイヌ工芸(アイヌコタン)

大いなる中空

北海道函館市南茅部(かやべ)地区で発見された3500年前(縄文時代後期)の国宝・縄文土偶は、中が空になっている土偶です。縄文時代、人形(ひとがた)をした土偶は祈りの対象や儀式で使われたもの。そして人形の中が空というのは、空の部分に不滅の霊魂が宿るとも見えます。身体の内に霊魂や大切なものを保つバランスこそが、生きることだと思えます。そして内なる大切なものは、目には見えないものです。
DSC_0347

国宝・縄文土偶 函館市蔵 著保内野(ちょぼないの)遺跡出土

大いなる地産

国宝・中空土偶が発見された函館市南茅部地区の段丘の前の海には、祭礼の縁起物として朝廷や将軍に献上された地産の宝物、真昆布が生きています。UMAMIが豊かで生命力の強い真昆布。生命力とは、バランスを保つ力。そして、大いなる自然の恵みも霊魂も、自分の中を空にして、感覚で知り保つもの、と古代から人は知っていたのではないでしょうか。

CIMG1711(軽量)
yasudaJALスカイアンバサダーが紹介する 北海道のエレガンス

記事へのコメント欄

Leave a Reply

Your email address will not be published.

CAPTCHA


会員登録をして、社会遺産学芸員になりませんか?
登録を行うと、こんなことができるようになります。
1.会員限定の記事をご覧いただけます。
2.あなたのお住まいの地域の情報を、サイトで発信できるようになります。
社会遺産学芸員に登録する